2015年に行った国勢調査の結果から、65歳を超える高齢者が増加し続ける反面、60歳までの労働人口が減少傾向になっていくと予測されています。そのため、高齢者の生活を支える介護業界では需要は高まるものの労働人口が減少し、人材不足が深刻化されるという懸念があります。このような問題を少しでも減らすことを目的とした勤務形態が、介護シェアリングという働き方です。
従来の介護業界では、日勤、遅番、夜勤など、時間的なシフト分けによる働き方が中心でしたが、介護シェアリングでは勤務時間を分けるだけでなく、さらに細分化した勤務体制を導入しています。介護シェアリングの働き方は、送迎、入浴、食事の準備など、それぞれの業務に担当者を設けるため、介護職員一人ひとりの負担の軽減につなげられます。さらに、定年退職した方や主婦といった長期にわたって長時間労働をするのが困難だった人材でも、短時間での仕事も可能になることで事業者側にとっては人材を集めやすくなるというメリットがあります。また、決められた内容の仕事だけすれば良いため、勤務する介護職員にとっても仕事が楽になるだけでなく、比較的短期間で仕事を覚えられるようになります。
仕事内容を細分化する介護シェアリングでは、食事やおやつタイムの配膳のみを業務とするスタッフを雇用すれば、簡単なアルバイトをするような感覚で業務に励むことが可能です。これまで、あらゆる雑務を行っていた介護の専門職員にとっては、介護シェアリングの導入により専門知識を活かした仕事に専念しやすくなります。